経理ステージ別の経理コンサル方法について

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

2019年12月に「多くの中小企業の経理を救いたい」「日本のベンチャー企業の経理(=経営)を強くしたい」想いを胸に経理コンサル会社を起業した。

今までの経験談やオススメしたいことをブログに書いていきたい。

会社ステージ別の経理の状況

2023年までに20社以上の経理の状況を見てきた。会社の大きさによって経理ステージは以下のような状況にある。

  1. 経理担当がいなくて社長が対応、税理士に任せきり(売上高1億円未満)
  2. 経理経験がない社員が対応、税理士に任せきり(売上高1億円未満)
  3. 経理経験がある社員が対応、税理士に任せきり(売上高1億円~3億円)
  4. 経理経験がある社員が対応、IPO準備中(売上高3億円~10億円)
  5. 経理経験がある社員が対応、未上場(売上高3億円~)

経理ステージ毎の課題

1.経理担当がいなくて社長が対応、税理士に任せきり(売上高1億円未満)

このステージの会社は、社長が全ての仕事に追われており、会社の経理状況を見ている暇もないという会社が多い。ほとんど社長の肌感覚で経営が行われている。このような会社にはクラウド会計システムを導入することをオススメしている。クラウド会計システム導入により、銀行への記帳やクレカ明細の入手などの手間がなくなり、税理士とのやり取りもスムーズになる。昨今の税理士はクラウド会計システムを使えない人はいないので、ぜひ導入を検討してほしい。

無料の会計自動化ソフト マネーフォワード クラウド会計

2.経理経験がない社員が対応、税理士に任せきり(売上高1億円未満)

「経理はわからないが、税理士先生に言われたことをやっている」など若くてやる気のあるゼネラリストタイプの人が経理を兼任しているケースで、ベンチャー企業に多い。最近、特に驚くのはこの「ゼネラリストタイプの若い人」が大変優秀な人が多いことである。このような会社は、年間の経理スケジュールを淡々とこなしているが、「長期事業計画の作成」や「経営者への月次決算説明」を行っていないケースが見受けられる。私がこのステージの会社と契約いただいた際は、事業計画のブラッシュアップや月次決算の導入を行っている。社内全体に計画数値を共有し、月次決算にて計画との差異についてPDCAを回す。これにより会社が今儲かっているのか、どのような課題があるのか理解することができる

3.経理経験がある社員が対応、税理士に任せきり(売上高1億円~3億円)

このステージの会社は、経理業務の属人化が課題になっているケースが多い。私は属人化に対しては「経理業務アウトソーシング」を提案している。経理業務をアウトソーシングするということは経理業務を外部に説明できないといけない。多くの属人化した業務は肌感覚で行われており、外部への言語化が難しい。しかし、外部との経理業務ダブルアサインメントの体制を整えることで退職リスクや不正リスクに対応できる。現在、私は事務代行会社のコーディネーターも行っており、アウトソーシングに適した仕事はどんどん外部に委託することを提案している。

4.経理経験がある社員が対応、IPO準備中(売上高3億円~10億円)

このステージの会社では経理チームができあがっており、部門マネジメントやステークホルダーとのやり取りが主な業務となる。IPO書類作成は開示に慣れていない人が対応すると時間がかかるため、外部に委託することが多い。しかし、どうして東証は「経理の業務受託者」を自社の経理能力と認めないのか。雇用契約と業務委託契約はもちろん内容は違うが、どちらも自社のマンパワーとして考えてもいいのではないか。

5.経理経験がある社員が対応、未上場(売上高3億円~)

最近、このステージの会社から資金繰りの相談をされることが多い。特に銀行担当者や社労士から「あの会社の資金繰り計画を整備してほしい」と頼まれることが増えた。経理経験のある方でも「入力業務に特化した経理マン」であると資金繰り計画について不明確なことが多い。よって、私は経理マンはもちろん、現場の営業責任者の方などと協業して資金繰り計画をブラッシュアップしている。よくあるのが「資金繰りを見直したら半年後に倒産になりそう」な会社。資金繰りに不安を感じたらすぐに資金繰り計画を見直されることを薦めたい。